2009-06-29
与党がオバマ政権に反発!

米下院は25日、イラク、アフガニスタン戦費や最新鋭ステルス戦闘機F22の追加調達費などを盛り込んだ総額約6800億ドル(約65兆円)の2010会計年度国防予算権限法案を賛成389、反対22の圧倒的多数で可決した。(時事通信)

6月1日、米上院歳出委は輸出向けF22戦闘機の開発について空軍への打診を検討。写真はF22ラプター。

オバマ政権は高額なF22の調達打ち切りを決めており、上下両院で可決された場合には拒否権を発動する方針を示している。
議会多数派の民主党議員の大半が政権の方針を無視したことは、オバマ政権にとって大きな痛手だ。
報道によれば、米下院軍事委員会は、2010会計年度国防予算権限法案の審議で、F22の輸出型モデルの日本への輸出の可能性を検討する報告書を提出することを義務づける修正条項を加えて6月16日に可決していたとのことである。同修正条項では、以下の点について国防総省に対し、同法案が成立してから30日以内に報告することを義務づけている。
1.輸出型の価格

2・輸出型開発の技術的な可能性と開発に必要な期間

3・日本にF22を売却した場合の戦略的な影響

4.米航空産業への影響

5.必要な法改正

F−22 ラプター 戦闘機

 特に、「日本にF22を売却した場合の戦略的な影響」について報告せよと義務付けている点は、注目すべきである。そういうことならば、我が国が次期主力戦闘機(FX)を何としてもF22を導入したいのであれば、日本がF22を導入することが日米同盟の強化に役立ち、米国にとっても利益となることを我が国は立証するよう努めるべきである。
2009会計年度補正予算案は、一般論としてF22の輸出型モデルの開発・調査費用を計上したものだが、今回の修正条項は、日本に限定した輸出の検討を求めているのが大きな相違点である。私見では、F22に拘泥する必要はないと考えているが、F22導入の可能性は高まったと言えるであろう。
 もう一点興味深いのは、現在米国議会を圧倒的に支配しているのは民主党だが、その議会が同じ民主党のオバマ政権に反旗を翻している点である。米国では議会多数派が同じ党の大統領に従順でないことはそれほど珍しいくはないが、今回の件は、オバマの安全保障政策が米国内で必ずしも信頼されていないことを表しているように思われる。次の注目点は、オバマが拒否権を行使するかどうかということになる。
何処も同じ秋の(今は秋では無いが梅雨である)の夕暮れ・・・・
麻生おろしと同じ様に海の向こうでも反オバマの芽が梅雨の雨に勢い付いてボチボチ芽吹いてきたのかな。


 北朝鮮による4月の弾道ミサイル発射実験と5月の核実験を受けて、日米韓の連携が急速に強まっているが、中でも米韓同盟の強化は著しいものがある。
 ワシントンを訪問した韓国の李明博(イ・ミョンバク)大統領と米国のオバマ大統領の間で6月16日に行われた米韓首脳会談では、会談を受けた合意文書「同  「同盟未来ビジョン」は、大きく分けて3つの重要な柱を含んでいる。
 一つ目は、北朝鮮による核実験の後、米国政府高官が相次いで表明してきたことだが、米国が韓国に対して核の傘を含む拡大抑止力を今後とも持続的に提供すると文書として明記したことである。これは、当面の北朝鮮への対応の基本となる。米国は、核の傘を含めた拡大抑止力の提供に関しては、わが国に対しても、大統領、国務長官、国防長官が明言している。米国による日韓への拡大抑止力の提供は北東アジアの平和と安定の基礎である。

 二つ目は、米韓同盟を「世界の中の米韓同盟」と位置付ける方向性を明確に打ち出した点である。同文書では、これまで米韓のパートナーシップは政治・経済・社会・文化分野の協力を合わせて拡大してきたが、その堅固な土台を背景に、米韓共同の価値と相互信頼を基盤とする二国間、地域的、そしてグローバルな包括的戦略同盟を構築していくとしている。これは、日米同盟や日米豪安保協力関係の目指すところと同じである。そうであるならば、日米韓の三国による連携もますます進めやすくなるということになる。日米同盟を補完する存在として豪州との安全保障協力の強化があるのと同様に、日本が韓国との安保関係も強化することは有益である。このような動きになれば、アジア太平洋地域への米国のコミットをより確実にできるとともに、地域の要望を米国に対してより効果的に伝えることができると期待できる。米国とアジア太平洋の国々の間の同盟はしばしばハブ・アンド・スポーク構造と呼ばれるが、スポーク同士の連携も密にすることで同盟の構造全体が強化されるであろう。
 そして、三つめは、朝鮮半島統一に関する長期的なビジョンである。同文書は、米韓は同盟を通じて朝鮮半島の平和を構築し、自由民主主義と市場経済の原則に基づいた平和的統一を目指すと明記している。朝鮮半島に自由民主主義と市場経済の原則という我が国とも価値観を同じくする統一国家ができることは、我が国の安全保障上、死活的に重要なことである。もしも朝鮮半島が中国の影響力の強い形で「赤化統一」するようなことがあれば、我が国の防衛ラインは対馬海峡まで南下することになる。これは絶対に避けるべき事態である。朝鮮半島が自由民主主義と市場経済の原則にのっとった形で統一するということは、韓国主導で統一がなされるということに他ならない。そのためには韓国の国力、とりわけ経済力の増進が不可欠である。それゆえ、経済危機に際して韓国に対して手厚い援助をするということ等は、正しい「投資」だということになる。


 米韓同盟の強化に関連して、最後に、二点気になることを指摘しておきたい。一つ目は、最近の日本の国内政治の漂流により肝心の日米同盟の強化が、米韓同盟の力強い流れに比べていささか見劣りがすることである。これは、政権交代を掲げながら「反米」ととられかねない政策を次々と打ち出す日本の民主党の責任が極めて大きい。具体的には、海上自衛隊によるインド洋での補給活動の即時停止、日米地位協定の見直し、在沖縄海兵隊グアム移転と普天間飛行場移設を柱とする在日米軍再編計画の白紙撤回などである。もう一つは、日米韓の緊密な連携がますます必要となっているにもかかわらず、日本で嫌韓的な国民感情が高まっていることである。確かに、韓国は竹島領有権問題や歴史認識などで理不尽なことを言ってくることがあり、日本の国民感情が反発するのは自然なことではあるが、大戦略の前にあっては、特に政策担当者は感情に流されない冷静な判断が肝要である。ただし、これは、何も韓国の理不尽な要求をいちいち唯々諾々と受け入れるという意味でないことは言うまでもあるまい。古典の言葉を借りれば「和して同ぜず」の精神で行くのがベストだということであろう。
盟未来ビジョン」が発表された。この文書の性格は、昨年4月にブッシュ大統領(当時)と李明博大統領の間で合意された「21世紀戦略的同盟関係」を、新しい安全保障環境や国際政治環境に適応させるために、もう一段階次元を高めたものであると言える。基礎を築いたのはブッシュ前政権であって、オバマ政権はそれを正しく継承しているということになる。

F-X (航空自衛隊)
F-Xまたは、FX(エフエックス)とは、Fighter-eXperimentalの略称で、日本国航空自衛隊の次期主力戦闘機導入計画を指す略語。

F-35
第5世代ジェット戦闘機。F-22に次ぐステルス性を持つマルチロールファイターであり、アメリカ軍などが推奨する最も政治色が濃い機体。軍事専門誌などでも最有力候補に挙げられているが、候補とされる機種の中で唯一、実戦配備されていない。(推定価格 86億円)