2009-07-30
海自の給油活動延長せず(民主党)

民主党の鳩山由紀夫代表は29日、熊本県菊陽町で記者団に対し、インド洋での海上自衛隊による給油活動について「基本的に延長しないというのがわれわれの立場だ」と述べ、新テロ対策特別措置法の期限が切れる来年1月15日までに活動を終了させ、海自を撤退させる考えを示した。 


民主党幹部は28日夜、インド洋での海上自衛隊による給油活動の根拠法である新テロ対策特別措置法について、「撤退を求めてきたのだから基本的に延長は考えていない」と述べた。衆院選で政権を獲得した場合、同法の期限が来年1月に切れるのに伴い、海自を撤退させる考えを示したものだ。


 同党はインド洋での給油活動に一貫して反対してきたが、政権交代が現実味を帯びる中、「外交の継続性」を考慮するとして方針を修正。活動継続を期待する米国への配慮から、マニフェスト(政権公約)でも活動中止に触れず、政権の座に就いても、当面は給油活動を継続することにしている。
 これに関し、岡田克也幹事長は23日、期限切れ後も活動を続ける可能性について「そういうことも議論の対象になるかもしれない」と、継続に含みを示す発言をしていた。
 しかし、同幹部は「はっきり言わない人もいるかもしれないが、(同法を延長しない方針は)変えていないし、ぶれていない」と言明した。党内でも「国会で反対してきたことは重い」との声が強く、期限切れに伴い撤収する方向で党内調整が進むとみられる。給油活動をやめる場合は、アフガニスタンでの人道支援など新たな貢献策で米側の理解を得たい考えだ。 


 同幹部の発言の背景には、民主党が連立相手と想定する社民党が自衛隊の即時撤退を求めていることへの配慮もありそうだ。

アフガニスタンでは二〇〇一年以降、(1)米国主導の「対テロ報復戦争」(米軍作戦名「不朽の自由作戦」=OEF)と、(2)北大西洋条約機構(NATO)が指揮するアフガン国際治安支援部隊(ISAF、アイザフまたはアイサフ)の、二つの多国籍軍の軍事作戦が並行して展開されています。


戦争での報復
 OEFは、〇一年九月の9・11対米同時テロを受けて、その容疑者とされる国際テロ組織アルカイダと、それをかくまうアフガンのタリバン政権を掃討する目的で、十月に始められました。それは、テロ攻撃に対する、戦争による報復でした。
 米国主導のOEFは東南アジアやアフリカでも展開されています。アフガン関連のOEFには二十一カ国が派兵しているというものの、公表できるのは約十カ国とされます(外務省資料による)。OEFの任務などを規定する国連安保理決議はなく、指揮権は米軍が握っています。
 一方、ISAFは、タリバン追放後、首都カブールでの暫定政権の治安確保を目的に、兵力四千人で結成されました。


 ISAFは当初、英国やトルコなど個々のNATO加盟国が交代に指揮していましたが、それではうまくいかないので、〇三年八月からNATOとして指揮権を握ることになりました。
 それ以後ISAFは、時計の逆回りの形で北部→西部→南部→東部へと担当地域を拡大。〇六年十月にはアフガン全域を管轄することになりました。これに伴い、全土に展開していたOEFは、戦闘が激しい南部と東部に集約されました。・・・・・・・・・・・・・・・・・

政府がイラクで空輸活動に当たっている航空自衛隊部隊の年内撤収を表明したことで、インド洋での海上自衛隊による給油継続の可否が、これまで以上に重要性を増してきた。アフガニスタン本土では治安が悪化、洋上ではタンカーを狙った海賊行為が後を絶たない。「テロとの戦い」の端緒となった7年前の米中枢同時テロの風化が進む中、24人の尊い犠牲者を出した日本は重い選択を迫られている。

 麻生太郎首相は自民党総裁選の期間中、「世界中が戦っているテロに対して、日本だけがその場から撤収するというのはいかがなものか」として、海上自衛隊の給油活動の根拠法である新テロ対策特別措置法を延長する方針を強調してきた。

これに対して、民主党はインド洋からの海上自衛隊撤退を主張している。間近に迫った衆院選の結果しだいで日本の対テロ政策は大きな転換を迫られる。

民主党は海上自衛隊撤退を言い始めた。国家としての責務を放棄して如何に国家たらんや周囲のバランスも考え合わせてオバマの顔色(きっと暗い)を見つめてくれば良い

 政府は12日に新たにデンマーク艦船への給油実施を決定した。19日には海自の給油活動を来年1月以降、1年間延長する新テロ特措法改正案を閣議決定している。

 ただ、政府サイドのテロ根絶に向けた思いとは裏腹に、給油継続への国民の関心は低下している。昨年、各種世論調査で5〜6割あった支持は4割ほどに減少。原油高騰で国民生活が疲弊していることもあり、「油を外国船に無料提供するのはいかがか」との声ももれる。

 一方で、世界各国は治安状況が悪化しているアフガンへの支援を強化。イラクで多数の犠牲者を出してきた米国も今後は兵力の多くをアフガンに振り向ける方針だ。アフガンの治安維持を支援する国際治安支援部隊(ISAF)は40カ国5万2700人で、治安悪化が著しいこの1年間で1万6050人が増派された。憲法で海外での武力行使が禁じられている日本は陸上派遣を行っていない。