2009-09-07
反主流だんまり…恐怖か計算か 「小沢幹事長」

「国対・党は人事含め幹事長一任」鳩山・小沢会談で

民主党の鳩山由紀夫代表は5日、新政権で予算の骨格などを策定する首相直属の国家戦略局の担当相に菅直人代表代行、外相に岡田克也幹事長をそれぞれ起用する意向を固めた。政策決定の一元化を図るため、国家戦略局担当相は党政調会長を兼務する。一方、鳩山氏は同日午後、次期幹事長に内定している小沢一郎代表代行と党本部で会談し、党と国会の運営は人事を含めて小沢氏に一任する考えを伝えた。
 党のトップが執行部を含む人事権を幹事長に委ねるのは異例。新政権で小沢氏が強い影響力を確保するのは確実だ。
 鳩山氏との会談後、小沢氏は記者団に「国会や党のことについては人事も含めて幹事長に任せるからしっかりやってくれという結論だ」と説明した。閣僚人事については「私は関係していない」と語り、自らは関与しない考えを強調した。
 党人事では国対委員長などが小沢氏一任となる。国会人事では、衆院議長をはじめ、各常任・特別委員長の人選が小沢氏に委ねられる。(時事通信)

鳩山人事、小沢氏への配慮も

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民主党の鳩山由紀夫代表が、小沢一郎代表代行の幹事長起用を決めたことを受け、党内からは小沢氏を礼賛する声が相次いだ。小沢氏の政治手法を「二重権力」と批判してきた反主流派は沈黙を守る。小沢氏への恐怖からか。それとも今後のポストを見据え、計算が働いているのか。

「二重権力構造」

 小沢氏は党内で「選挙の神様」とあがめられており、来夏の参院選への期待は高い。海江田万里元政調会長は「幹事長の仕事は参院選に勝つこと。小沢氏は最適任だ」。安住淳国対委員長代理は「幹事長は党の政策には一切関与しない。仕事は今までとは違う」と二重権力批判を必死に打ち消した。

 小沢氏の権力拡大に警戒感も広がるが、「小沢氏なしでは党がまとまらない」という事情もある。加えてポストへの期待もあり、反主流派は口をつぐむ。ある若手は「幹部は入閣志向が強いから当分小沢氏に反発することはないだろう」とあきらめ顔だ。

 一方、小沢氏に幹事長の座を追われる形となった岡田克也幹事長は「人事は代表が決めること。代表がそういう決定をされたということであれば異論はない」と表情一つ変えなかった。

「体よく追いやられた」の声も

 民主、社民、国民新の3党は2日、連立政権樹立に向けて、政策責任者による政権協議を開始した。今月中旬の鳩山由紀夫政権発足に向けた準備を進める。協議の中で、社民党は連立政権の政策調整にあたる「与党協議機関」の設置を要求。政策決定の権限を内閣に一元化したい民主党と折り合いがつかず、幹事長、党首レベルで検討することになった。協議は3日夜も行い、今週中の政権合意書とりまとめを目指す。

協議では、日米地位協定の見直しを米側に求めることや、海上自衛隊によるインド洋での補給活動に代わる新たなアフガニスタン支援策を検討することでも合意した。

民主、社民、国民新の3党は3日夜、政策責任者による連立政権協議を行った。3党は新型インフルエンザ、九州などの豪雨被害対策に加え、雇用対策を3党政策合意に盛り込むことで一致。8日に再協議し、合意とりまとめを目指すことを確認した。ただ、民主、社民両党で隔たりが大きい外交・安全保障政策をめぐっては、合意を持ち越した。

民主、社民、国民新各党が連立協議 「与党協議機関」設置で結論出ず

民主党の鳩山由紀夫代表が小沢一郎代表代行(選挙担当)を幹事長に起用したのは、衆院選での圧勝の功績を高く評価し、引き続き選挙の陣頭指揮に当たらせることで自らの政権基盤を強化するためだ。「小沢チルドレン」の大量当選で308議席に膨れあがった衆院を統率するにも、小沢氏の力に頼らざるを得ない。ただ、小沢氏には、平成5年に発足した細川護煕連立政権を、政府と連立与党の「二重権力構造」で退かせた“前例”があるだけに、鳩山氏は危険な賭けに出たといえる。

「先生の教えを守り、しっかりとした理念と尊厳のある国づくりに邁進(まいしん)するとお誓い申し上げます」
 1日、東京都大田区の池上本門寺。民主党の鳩山由紀夫代表は親交があった政治評論家、細川隆一郎氏の告別式に参列し、霊前で首相となる覚悟を表明した。
 鳩山氏はこの言葉を実現できるか、否か。それは120人規模に膨れあがったグループを率いる小沢一郎代表代行と手を握りつつ、いかに距離感を保ち、リーダーシップを発揮するかにかかっている。
 来年夏の参院選に向け、小沢氏の手腕は不可欠だ。一方、小沢氏の「傀儡」と呼ばれる事態は避けたい−。鳩山氏は、ときに矛盾する課題をクリアする必要に迫られている。